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保育園の経営情報報告、
未報告のままにしない

2026年9月10日

3月末決算の園で、2026年3月に終わった事業年度の経営情報報告をまだ出していないなら、いまは「時間ができたらやる」で済ませる仕事ではありません。

2026年度の公定価格改正で、経営情報等の報告を行っていない施設・事業所に対する減算が創設されました。条件を満たすと、基本分単価に5%を乗じた額が減算されます。

必要以上に怖がる話ではありません。大事なのは、期限を一度確認し、誰が報告を持つのかを決め、年度末の資料探しではなく定例業務にすることです。私は保育園を6園まで運営しましたが、年次の仕事は担当が曖昧な瞬間に一気に重くなります。会計担当は決算を見ている、園長は職員配置を見ている、給与担当は賃金を見ている。それでも「ここdeサーチの報告は誰が完了させるのか」が決まっていなければ、最後に全部を集める人が必要になります。

結論は、経営情報報告を「提出時期に思い出す仕事」から外し、毎事業年度の終了日から5か月を逆算して管理する定例業務にすることです。

2026年7月から、未報告への5%減算が始まっています

ここは私の運営上の考えではなく、制度上の事実です。

こども家庭庁の「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項」では、子ども・子育て支援法第58条第2項による経営情報等の報告について、特定教育・保育施設の設置者と特定地域型保育事業者は毎事業年度終了後5か月以内に報告する必要があると整理されています。そのうえで、報告を行っていない施設・事業所には基本分単価の減算を行い、2026年7月から適用するとされています。

減算の条件は「期限を1日過ぎたら即5%」ではありません。資料では、報告期限から3か月以上経過しても経営情報の報告が行われていない場合などが対象です。また、報告内容に誤りがあると指摘され、概ね1か月以内に特段の事情なく適切な報告が行われない場合も対象になり得ます。

3月末決算なら、まず8月末を年間予定に入れる

報告期限は事業年度終了後5か月以内です。事業年度が2026年3月31日に終わる園なら、原則として2026年8月31日までが報告期限になります。

この記事を公開した2026年9月10日時点では、8月末の期限はすでに過ぎています。ただし、期限を過ぎた瞬間に5%減算という仕組みではありません。だからこそ「まだ減算ではないから大丈夫」ではなく、未報告なら今すぐ状況を確認する。その判断が必要です。

5%は「園の売上の5%」ではない。ただし軽く見ない

こども家庭庁の資料では、減算額は基本分単価に5%を乗じた額と明記されています。売上全体の5%を一律に引くという意味ではありません。

一方で、「書類を一つ出し忘れただけ」と考えるのも違います。公定価格の基本分単価に関わる以上、園運営の収入へ直接つながる制度です。しかも資料上、減算の適用期間は、条件を満たした場合に「期限の属する日の翌月から報告等がなされる日の属する月まで」とされています。

具体的な算定や自園への適用は、所在地の自治体と最新通知で確認する必要があります。ただ、経営側で取るべき行動は明確です。期限を把握して、未報告を放置しない。それだけです。

今年の経営情報報告、誰が完了まで持っていますか?

会計、給与、職員配置のデータが揃っていても、報告の担当と期限が曖昧なら最後に止まります。自園の運営データと管理業務がどこで分断されているかを整理できます。

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未報告だけでなく、「修正依頼を放置する」ことにも注意する

今回の減算で見落としやすいのが、報告を送信した後です。

こども家庭庁の資料では、誤りのある報告が含まれていることが判明し、都道府県または市町村から指摘を受けたにもかかわらず、概ね1か月以内に特段の事情なく適切な報告がなされない場合も減算の対象になり得ます。

つまり「送信したから終わり」ではありません。差戻しや修正依頼まで含めて完了を確認する必要があります。年次報告を一人の頭の中だけで管理すると、担当者が忙しい時期ほどここが抜けます。私は、報告日、確認状況、差戻し、修正完了までを一つの管理項目として残す方が安全だと考えています。

過年度の未報告も、そのまま消えるわけではない

福祉医療機構の「ここdeサーチ」の案内では、経営情報等の報告は毎事業年度求められており、過年度分が未報告だった場合も遡って報告する必要があると案内されています。

「今年の分だけ出せば過去分はいい」という前提では動かない方がいい。新しい担当者が引き継いだ法人や、初年度の報告を後回しにした施設では、今年度分だけでなく過年度のステータスも一度確認しておくべきです。

経営情報報告を年1回のExcel作成にしない

ここからは運営側の話です。

報告時期になってから、会計ソフトから収支を出す。給与システムから賃金を出す。職員台帳から属性を確認する。シフトや配置表から人員配置を確認する。これを毎年やると、制度が続く限り毎年同じ資料探しが発生します。

私は、報告に必要な情報を普段の会計・給与・職員情報から出せる状態にしておく方がいいと考えています。ここdeサーチへ直接自動送信できると決めつける必要はありません。まずは必要項目を正しい元データからすぐ確認できる。転記した数字の根拠へ戻れる。差戻しが来てもどこを直せばいいか分かる。その状態まで作れば、年次報告はかなり軽くなります。

この考え方は、前の記事「ここdeサーチの経営情報報告は『年度末に集める仕事』にしない」で詳しく書いています。今回の記事は減算と期限を確認する制度・実務編、前の記事は日常業務からどう準備するかという運用編です。

今確認することは4つで十分です

① 自園の事業年度終了日と報告期限、② 今年度分の報告ステータス、③ 過年度の未報告が残っていないか、④ 差戻し・修正依頼が未対応になっていないか。この4点を確認して、未完了があれば担当者と期限を決めます。

制度対応は、園の数字を整えるきっかけにできる

報告義務と減算だけを見ると、また事務作業が増えたように見えます。ただ、収支、人件費、職員配置を施設単位で確認できる状態は、報告のためだけに必要なものではありません。

園長が今月の予算を確認する。本部が施設別の実績を見る。給与が確定したら人件費へつなぐ。職員配置を同じ施設情報で持つ。こうして日常の数字がつながれば、年次報告のために別の数字を作る必要がなくなります。

Hoiku Poppyの会計管理でも狙っているのはそこです。国へ報告するための専用Excelを増やすのではなく、普段の予算・会計を整えた結果として報告に必要な情報を確認しやすくする。制度対応を日常業務から切り離さない設計にします。

期限管理だけでなく、報告の元データまで整える

Hoiku Poppyは、会計・給与・勤怠・職員情報を分断したままにせず、日常業務のデータを園運営へ戻すことを目指しています。

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制度確認に使った一次情報

よくある質問

3月末決算で8月末の期限を過ぎたら、すぐ5%減算ですか?

すぐに5%減算になるわけではありません。こども家庭庁の令和8年度資料では、報告期限から3か月以上経過しても未報告であることなどが減算適用の条件として示されています。ただし期限を過ぎたまま放置せず、速やかに報告状況を確認してください。

5%減算は何に対する5%ですか?

基本分単価に5%を乗じた額です。園の売上全体の5%という意味ではありません。

報告後に修正依頼を放置するとどうなりますか?

誤りを指摘され、概ね1か月以内に特段の事情なく適切な報告がなされない場合も、条件を満たすと減算対象になり得ます。

過年度分を出していなかった場合は?

福祉医療機構は、過年度分が未報告の場合も遡って報告する必要があると案内しています。今年度分と一緒に過年度のステータスも確認してください。

このブログについて

Hoiku Poppy

Hoiku Poppyは、15年間・最大6園の保育園経営で向き合ってきたシフト、勤怠、職員採用、園の情報発信、予算管理の課題をもとに開発しています。

このブログでは、園運営の経験をもとに、先生たちの仕事を減らすための考え方を伝えています。

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