30日間無料で始める
ホーム / ブログ / 保育園のシフト作成

保育園のシフト作成は
「配置基準を満たせば完成」ではない

2026年9月2日

保育園のシフト作成で最初に守るべきなのは配置基準です。ただし、配置基準を満たした時点で良いシフトが完成するわけではありません。本当に現場で使えるシフトは、先生の勤務条件や公平性、振替休日、調理職員の勤務、そして保育に少し余裕をつくれるかまで含めて設計する必要があります。

私は15年間、保育園の運営に携わり、6園まで事業を広げました。シフトを見ていると、表の上では成立しているのに、現場では苦しいということが起きます。人数は足りている。でも早番が一部の先生に偏っている。土曜日に出勤した先生の翌週がきつい。勤務可能時間を考えると、結局いつも同じ人に負担が寄る。こうした問題は「必要人数を満たしたか」だけでは見えません。

結論はシンプルです。保育園のシフトは、最低基準を守る計算と、現場で働き続けられる配置設計の両方が必要です。

配置基準は「ゴール」ではなく、シフト設計のスタート地点

保育所の職員配置には法令上の基準があります。現在の国の設備運営基準では、保育士の人数について乳児おおむね3人につき1人、1歳以上3歳未満おおむね6人につき1人、3歳以上4歳未満おおむね15人につき1人、4歳以上おおむね25人につき1人以上とされています。国は4・5歳児について30対1から25対1への改善を進め、1歳児についても配置改善を進めています。

ここは制度として必ず押さえる部分です。一方で、制度上の最低基準と「その園で良い保育ができる配置」は同じではありません。最低基準は最低基準です。基準を満たしたから、それ以上の配置は不要ということにはなりません。

配置状況を見えるようにしたときに気づいたこと

Hoiku Poppyで、シフト表だけではなく時間帯ごとの配置状況も確認できるようにしようと考えたとき、最初は「配置基準を満たしているか」を確認することが目的になっていました。

でも、それだけなら保育の現場を見ていることにはなりません。少し余裕のある配置ができれば、気になる子に一対一で関わる時間をつくりやすくなります。クラス全体を見ながら、一人の子に丁寧に寄り添う余白もできます。先生同士にも、ほんの少し呼吸できる時間が生まれます。

配置基準を守ることは当然です。ただ、その先にある「この配置ならどんな保育ができるか」まで見なければ、シフトを作る意味が薄くなります。

シフトで本当に難しいのは、人数ではなく「負担の偏り」

人数を合わせるだけなら、条件を入れて計算すればかなりの部分を自動化できます。難しいのは、そのシフトが1か月続いたときに誰へ負担が集まるかです。

たとえば正規保育士の早番・遅番・土曜番です。月全体で見ると、数回の差でも本人の生活への影響は大きい。毎回同じ人が遅番になる、土曜勤務の多い先生だけ翌週も通常勤務が詰まっている、特定の先生が勤務可能時間の広さを理由に調整役になり続ける。こうした状態は、配置基準上は問題がなくても、働きやすいシフトとは言えません。

だから、早番・遅番・土曜番は「空いている人を入れる」だけではなく、月単位で回数と偏りを見る必要があります。土曜出勤週の振替休日も同じです。単純に休日数が合っていれば終わりではなく、連続勤務や翌週の負担まで見て初めて運用になります。

調理職員は保育士と同じロジックでは組めない

シフトを一括で扱うと、調理職員まで同じロジックで考えたくなります。しかし給食は提供時間が決まっていて、仕込み、調理、配膳、片付けまで時間の流れが保育とは違います。保育士の配置条件とは別に、厨房として成立する条件を持たせる必要があります。

つまり、園全体のシフトは一枚の表でも、中では複数のロジックが動いているのが自然です。全員を同じルールに押し込むと、見た目だけ整った使いにくいシフトになります。

自園のシフトで、どこに負担が偏っていますか?

配置人数だけでなく、早番・遅番・土曜勤務、勤務条件、管理者負担まで含めて整理すると、改善すべき場所が見えやすくなります。Hoiku Poppyの無料診断では、自園の運営課題を短時間で整理できます。

1分で無料診断する

AIにシフトを全部決めさせない理由

「AIがシフトを自動作成する」と聞くと便利に見えます。もちろんAIが役に立つ場面はあります。ただ、私はシフトの根幹を生成AIの判断だけには任せません。

配置基準、勤務可能時間、早番・遅番・土曜番の公平性、振替休日、職種ごとの条件。こうしたものは、毎回違う答えを返す必要がありません。ルールとして定義できるものはプログラムで確実に守る方がいい。成立する複数案の比較、偏りの発見、管理者への説明などにAIを使えばいいのです。

先生から「なぜ今月は私だけ遅番が多いのですか」と聞かれたとき、「AIがそう決めました」では説明になりません。管理者が理由を説明でき、必要なら条件を直せることまで含めてシフト管理です。

この考え方は、以前書いた「保育園でAIに任せる仕事と、人が決める仕事」ともつながっています。AIを使うこと自体を目的にせず、現場の判断を支える場所に使う。その線引きが必要です。

良いシフトは、先生のためだけではなく保育のためにある

シフトの話をすると、どうしても「職員の働きやすさ」に寄ります。もちろん、それは非常に大切です。ただ、それだけではありません。

早番や遅番が偏らない。無理な連続勤務が減る。必要な場所に少し余裕を持って配置できる。管理者が毎月ゼロから調整し直さなくていい。こうした積み重ねで、先生が子どもを見る時間と気持ちの余裕をつくりやすくなります。

配置基準は守るためにあります。でも、保育園を運営する目的は基準を満たした表を作ることではありません。子どもにとって良い保育を続けられる状態をつくることです。シフトも、そのための運営設計の一つです。

この記事の要点

保育園のシフト作成は、配置基準を満たすところから始まります。その上で、勤務条件、公平性、振替休日、職種ごとの条件、余裕のある配置をロジックに落とし、AIは比較や気づきの補助に使う。この順番なら、単なる人数合わせではなく現場に合うシフトを作れます。

まずは、自園の「人数は足りているのに苦しい」を整理する

Hoiku Poppyは、シフト・配置を含む園運営を、現場の判断がしやすい形に整えることを目指しています。自園の課題を整理してから始めたい場合は無料診断、すぐ試したい場合は新規登録へ進めます。

無料診断へHoiku Poppyを始める

制度確認に使った一次情報

配置基準に関する制度上の記述は、著者の運営経験・意見とは分けて確認しています。自治体条例や施設類型によって確認すべき条件があるため、実際の運用では所管自治体の最新基準も確認してください。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(e-Gov法令検索)
保育政策に関する基礎資料・職員配置の改善(こども家庭庁、2026年5月)

このブログについて

Hoiku Poppy

Hoiku Poppyは、15年間・最大6園の保育園経営で向き合ってきたシフト、勤怠、職員採用、園の情報発信、予算管理の課題をもとに開発しています。

このブログでは、園運営の経験をもとに、先生たちの仕事を減らすための考え方を伝えています。

Hoiku Poppyが生まれた背景を見る →
無料診断30日無料