保育園の採用は
「応募数を増やせば成功」ではない
保育園の採用で応募が少ないと、求人媒体を増やす、文章を変える、条件を目立たせる。もちろん必要な場面はあります。ただ、採用のゴールを応募数に置くと、本当に必要なことが見えなくなります。
私は15年間、保育園の運営に携わり、6園まで事業を広げました。採用は、応募フォームに人を集めて終わる仕事ではありません。採用した後、その先生は毎日子どもと関わり、他の先生とチームで働き、保護者とも向き合います。
結論は、園と求職者が入職前に「ここで働ける」「この人と一緒に働きたい」を互いに判断できる状態をつくること。これが保育園採用のゴールです。
応募数を増やしても、採用が楽になるとは限らない
応募がなければ採用は始まりません。だから応募数は大切です。でも、数字だけを追うと、園の保育観や働き方と合わない人まで広く集めることになります。
応募が増えれば、見学の日程調整、質問への回答、面接、合否連絡も増えます。それ自体が悪いわけではありません。ただ、入職前に確認できることを確認せず、面接まで来てから「思っていた園と違う」と分かるなら、園にも求職者にも余計な負担です。
採用で減らしたいのは、応募不足だけではありません。「入ってみないと分からない」を減らすことも同じくらい大切です。
給与や休日は必ず伝える。でも、それだけでは園は選べない
給与、勤務時間、休日、仕事内容などの労働条件は採用の土台です。労働契約の締結時には労働条件の明示が求められ、募集時にも明示すべき事項のルールがあります。ここは曖昧にしてはいけません。
ただ、条件が分かっても「その園で自分が働けるか」までは判断できません。保育園は同じ職種名でも、中の保育はかなり違います。子どもへの関わり方、行事の考え方、書類や準備の進め方、園長や主任がどこまで現場に入るのか、先生同士で相談しやすいか。こうした情報は求人票の数字だけでは見えません。
私は、採用ページの役割は園を魅力的に見せることだけではないと考えています。むしろ、園の色をできるだけ正確に見せることです。
行事を大切にする園なら、その考え方を隠す必要はありません。日々の遊びや子どもの主体性を強く重視する園なら、それも伝える。チームで相談しながら保育を進めるのか、担任の裁量を大きくするのか。そこまで出して初めて、求職者は「自分に合うか」を考えられます。
園の色を出すと、合わない人が応募しなくなることもあります。でも、それは失敗ではありません。合わないことを入職前に分かる方が、双方にとって健全です。
「保育観・雰囲気・働き方」を分けずに見せる
採用ページで保育理念だけを大きく書いても、働くイメージにはつながりません。理念が日常の保育と働き方にどう表れているかまで見せる必要があります。
たとえば「一人ひとりを大切にする」と書くなら、子どもへの関わり方だけでなく、職員配置や相談体制にも同じ考え方があるのか。「チーム保育」を掲げるなら、困ったときに誰へ相談できるのか、園長や主任はどう関わるのか。理念と実際の運営がつながっているほど、求職者は判断しやすくなります。
逆に「アットホーム」「風通しが良い」「働きやすい」だけでは、どの園にも当てはまります。採用で必要なのは形容詞ではなく、その言葉の中身が分かる情報です。
保育観、雰囲気、働き方、見学や質問のしやすさ。求職者が入職後を想像できる情報が揃っているかを整理すると、採用で足りない部分が見えます。Hoiku Poppyの無料診断では、採用を含む園運営の課題を短時間で整理できます。
1分で無料診断する選ぶのは園だけではない
採用では、どうしても「園が求職者を選ぶ」という構図になりがちです。でも実際には、求職者も園を選んでいます。ここをイーブンにした方が、採用は分かりやすくなります。
園は資格、経験、考え方、働き方を確認する。求職者は保育観、勤務条件、職員同士の雰囲気、管理者との距離、実際の保育を見る。どちらか一方だけが情報を持つのではなく、双方が判断材料を持つ状態にするべきです。
そのために、応募前の質問や園見学は大きな意味を持ちます。「応募するか決める前に聞いてはいけない」という空気をなくすだけでも、求職者は確認しやすくなります。質問は条件交渉の場ではなく、不明点や不安を解消するための接点です。
体験は「1日で見極める」ためではない
体験の機会を設ける園もあります。使うのであれば、1日で人を見極めるための仕組みにしない方がいい。1日で分かることには限界があります。
体験は、応募前後の不安を減らし、園の保育や雰囲気を少し深く理解するための補助的な接点です。スポットワークのように「1日働いて終わり」を目的にするのではなく、採用の相互理解を深めるために使います。
求人媒体と自園の採用情報は、役割が違う
求人媒体は、園をまだ知らない求職者との出会いを増やすのに強い。一方で、園の保育観や雰囲気、働き方を十分な量で伝えるには、自園側の情報が必要です。
私はこの二つを競合させる必要はないと考えています。求人媒体で見つけてもらい、自園の採用ページで理解してもらう。Google検索やSNSから直接採用ページへ来る人にも、同じ情報を見せる。入口がどこでも、最後に園自身の言葉で判断材料を出せる状態をつくります。
Hoiku PoppyのHoiku Poppyの求人・採用管理も、この考え方を軸にしています。求人を大量に並べることではなく、園ごとの保育観・雰囲気・働き方を見えるようにし、求職者が応募前に理解できる採用ブランドページをつくる。スポットワークを中心にしたサービスではありません。
採用で増やすべきなのは、応募数だけではなく「判断材料」
応募数が足りない園は、もちろん入口を増やす必要があります。ただ、入口だけ増やして、中身が給与と勤務時間だけなら、求職者は最後まで「どんな園なのか」を分からないままです。
保育観を伝える。雰囲気を見せる。働き方を具体的にする。条件は曖昧にしない。見学や質問で確認できるようにする。これを揃えると、園も求職者も判断しやすくなります。
保育園の採用は、応募者を集めて園が選ぶ一方通行の仕事ではありません。園と求職者が互いを理解し、互いに選べる状態をつくる仕事です。
採用のゴールを応募数だけに置かない。条件を明確にしたうえで、保育観・雰囲気・働き方まで見えるようにし、応募前の質問や見学などで相互理解の接点をつくる。園の色を正確に出すことが、双方の判断を助けます。
Hoiku Poppyは、採用、ホームページ、シフト、会計を別々の作業にせず、園運営全体の情報としてつなぐことを目指しています。まず課題を整理したい場合は無料診断、すぐ試したい場合は新規登録へ進めます。
無料診断へHoiku Poppyを始める制度確認に使った一次情報
労働条件の明示に関する制度上の記述は、著者の採用観・運営経験とは分けて確認しています。実際の募集・雇用契約では最新の法令・厚生労働省情報を確認してください。
よくある質問
保育園の採用ページには何を載せるべきですか?
給与・勤務時間・休日などの条件に加えて、保育観、園の雰囲気、実際の働き方、相談体制、見学や質問の方法まで、求職者が入職後を想像できる情報を載せます。条件と園の色の両方が必要です。
応募前に園見学を受け付けた方がよいですか?
園と求職者が互いに理解するための接点として有効です。見学は応募を約束させる場ではなく、保育の様子や職員同士の雰囲気を確認し、疑問を解消する場として設計します。
体験勤務は採用の中心にすべきですか?
中心にする必要はありません。実施する場合も、1日で人を見極めるためではなく、応募前後の不安を減らし、園と求職者の相互理解を深める補助的な接点として扱います。
この記事に関連するサービス
業務の進め方から、機能・料金・導入方法へ。
求人・採用管理の機能・料金を見る →